家の近くを歩いていくときでも、また、どこか仕事場に行くときでも、私はそこに2つ以上の行き方を見つけると、何かが起こりそうな感覚のある方を選んできました。人生においても、それは同じで、どちらを選ぶ時には必ず何か感覚的に可能性がある方を選ぶように意識してきました。たとえそれがほんのわずかな差であってもです。
しかし、一般の人にとって、可能性があるということが、可能性がないということとあまり変わらない傾向があるようで、わりに簡単に考えている傾向があるようです。
区別するなら、1万円がはっきり落ちているか落ちていないかでなければ、二者択一の範疇とはならないものらしい。手間がかかるものであればあるほど、その傾向は強くなり、面倒だからと安易な道を選んでしまう。
その道をわざわざ選ぶには、行けば確実に1万円札が落ちていなければ、という具体的な条件が必要なようです。
わくわくすることや美味しい話を得るためには、確実に貰えるか、それとも、貰えないのかの二者択一をやっていたのでは、いつまでたっても目的地にはたどり着くことはできません。
物事をよりよくしていくためには、可能性があるか、それともないのかの2つを大きな違いとして比較できるだけじゃなく、小さな可能性に対して大きな努力をしてみようという気持ちが必要です。
小さな可能性を拾っては、楽しみながら努力していける直観力を身に付けておくと得なのです。
直観力を養い成功していく人たちの共通点とは
松下幸之助氏や稲森和夫氏などのビジネスの成功者たちが「成功していく人間たちの共通点のひとつは、知識が豊かと言うより、直観力に優れている」とも言っています。
判断に迷った時、先延ばしをしてしまい、悩みに悩んだ末に選んだ答えがとんでもない間違いであったことが私にはありました。試験の選択問題では、最初に選んだ答えが正解で、消して書き直した答えが間違いだったという苦い経験もあります。
直感力は、神と話ができるような、あるいは神の声が聞こえる人とか、何か生まれ持った才能であって「自分にはそれがないから」とほとんどの人があきらめてしまいます。でも、直観力は養うことができるものなのです。
では、どうすればいいのでしょう?
知性(intellect)と直感(Intuition)教育の洗脳
マクドナルドのハッピーセットは、子どもはおまけのおもちゃが欲しいのに、親に叱られそうなので絵本を選んだりします。
そんなふうにして、いつのまにか大学を出る頃には、知性や知識はついたかもしれないが、直観力に乏しい人間になってしまいます。
松下幸之助、稲盛和夫氏が言われるように、「成功者は直感を生かしている」のですから、人間に本来持っている子のやりたいことや、やってみたいことといった資質を磨くことで、誰もが成功者の仲間入りすることができるのです。
しかし、夏休みの国語や算数の宿題を無理やり頭脳に詰め込み、やりたいことをやらせないことによって直観力は弱体化してしまう。安心安全のために楽しい遊びを「あぶないから」といって封じ込め、さらに受験のために勉強や塾通いや家庭教師を雇ってまで頭に詰め込むことによって、決定的に破損していってしまいます。
成功者になるための直観力の磨き方と養い方
自分のやりたいことや好きなことをどんどんやっていくことで直観力は養われ、磨かれていくものです。
学校へ行きたくなければ、いかなくてもいいのです。宿題をやりたくなければ、やらなくてもいいのです。ただし、その結果については自己責任だということを知っておく必要はあります。
私の知り合いの小学生の子どもは、毎日ゲームばかりやっていますが、親の顔を見ると「自己責任、自己責任」といってゲームをやっています。が、成績は人がうらやむほど、ぶっちぎりで学年トップを続けています。
母親の愛情は尊くても、「勉強なさい」一点張りの無知は、かえって子供たちの持っている天才性や将来性を摘み取ってしまいます。
偏向教育を受けて教育者の免状を取った教師に習うことでは、社会に出て命令に従うだけの型にはまった仕事はできるようになっても、アイデアをだしたり、工夫をしたりする成功者としての才能は断たれてしまいます。
やりたいことと違うことばかりやってしまう。
「どうして?」と訊くと、
「お金がないんでアルバイトしなきゃなんなくて、設計事務所の事務はけっこう金になるし、楽なんです」
と答えた。
そうやって金をためて、将来、ブティックを開くつもりだという。
「ブティックで働けばいいのに」と私が言うと
「でもブティックは安いし、働く時間が長いんです」と言う。
「そんな考えはおかしいよ。だってそうでしょう。ブティックをやりたければ人気のあるブティックでアルバイトするのがいいはずだよ。たとえバイト代が安くたってそれ以上に実践的なノウハウが身につくし、バイト代からその分の授業料を払っていると思えば、バイト代だって十分以上に見合うはずだと思うけど」
設計事務所にいたのでは、いくら賃金がよくたってブティックのノウハウは学べない。貴重な時間をロスすることやストレスを考えただけでも、賃金の差し引きでは見合わない。
ブティックをやりたいんなら、人気のブティックのアルバイトの口をなんとか見つけて、そこで勉強した方が将来どのくらい特になるか分からない。
やりたいこと、気づいたことはすぐに行う
農家に生まれ、高校を卒業すると家の農業を手伝うことになった。
ある日、田んぼのどてでふきのとうを採っていた。その時、突然「お前は何をやっているんだ」という声がした。
「そうだ、俺はこんなことをしていてはいけない。そんな暇はない!」びくも草取り窯もみんな放り出して、高校の恩師のところへ走った。
そして「先生、僕は大学へ行きたい!今すぐに東京へ行きたい!」先生はびっくりしたが、あまりの勢いに押されて、先生の大学の恩師に連絡を取ってくれた。そして、東京で教授の家に住み込み、カバン持ちをしながら勉強をすることになった。家の人たちに何も相談しなかった。
勢いがみんなを圧倒した。
彼は、先生のカバン持ちをしながら勉強して国立大学に入学。紆余曲折はあったが大学を卒業、さらに進学。博士課程まで行き、大学の助手、助教授、そして、最後は教授になった。
「僕は、あの声で動かなかったら一生田舎で農業をやっていたと思う」「あの声に押されてすぐに動いたから、今の僕があるんだ」名誉教授になった彼は私にそう言った。
もっと自由に、やりたいことわくわくすることを、すぐにやってみることが直観力を養うことになります。
それが成功者になっていく方法です。
反対に、気づいても行動せず、怠けていれば、直感力はどんどん鈍くなっていきます。
1度しかない人生。あなたはどちらを選びますか。